浜ちりめんについて
浜ちりめんとは
1573年、大阪の堺に大明国の職工が渡来して
ちりめんを伝えたのがはじまりです。
その約170年後の遅くとも1740年代に長浜に伝わり、
今の繁栄をみています。
浜ちりめんは、中村林助と乾庄九郎によって始められました。
二人が浜ちりめんを当時の首都、京都市場へ販売を始めたところ、
浜ちりめんの品質の良さから京都の西陣製のちりめんと競合することを
恐れた京都の人々による排斥運動が起こり、二条役所へ
浜ちりめんを京都へ入れないよう訴え出るまでに発展しました。
そこで二人は二条役所へ浜ちりめんを京都で販売できるように強訴しましたが
二条役所はそれを退けました。
困った二人は京都での販売が行えるよう、彦根藩へ援助を哀願しました。
当時の彦根藩は農業に継ぐ産業を探していたこともあり、これを引き受け、
京都での販売はもちろん、二人は織元に任命されるなど
藩の厚い保護により浜ちりめんは外に出ることなく、
長浜という地域のみの独自の産物となりました。
基本的に撚り(より)のない経糸(たていと)と強い撚りのある緯糸(よこいと)を交差させて織ったものの事をいいます。
シルク、特に生糸(天然繊維唯一の長繊維)を原料とし、綿などに比べ通気性に優れ、吸湿性・放湿性は1.3 ~ 1.5 倍 程あるのが特長です。
また、生地の表面に凹凸があります。
これを“シボ” と呼び、生地の表面に凹凸があるにも関わらず、優しい手ざわり である事が特徴です。
※シボ:強い撚りをかけた緯糸(よこいと)が精練によって 縮む時に出来る生地表面のデコボコの事を言います。
ちりめんは主に着物や風呂敷、ふくさ等に長く使用されてきましたが最近では、その肌触りの良さなどからウェディングドレスやストール等洋装にも使用されるようになりました。
シルクの特徴を最大限に生かす、
夏は涼しく、冬は暖かい。
浜ちりめんはシルクから作られております。
シルクは水分を吸い取る力が綿の1.3~1.5倍あり、水分を発散する力も約1.3倍あります。
この特性から汗を「素早く吸収」し「素早く乾かす」という原理が生まれ、夏は涼しく、細かい繊維のすき間に空気をためる事もできる為、冬、薄いといえどもシルクの生地であれば暖かいのが特長です。
◎しかも軽い!
冬は重ね着をするので、薄い事はうれしいですね。
乾燥や乾きからお肌を守る
シルクは繊維自体が紫外線を吸収するため、お肌のシミ防止に役立ちます。
◎下着に最適
吸収性や速乾性(保湿性)に優れているシルクは、下着 やインナーとして用いられています。
特に登山をされる方に愛用されています。
シルクから作られる浜ちりめん
シルクから作られる浜ちりめんは、シルクの特性を最大限に活かした生地として、着物の素材として 昔から使用されてきました。
厚そうな着物も、浜ちりめんでできている着物は、通気性がよく軽い為、実は動きやすい着物なのです。
ちりめんの種類
ちりめんには織り方により数多くの種類があります。
一部をご紹介します。
また各種類により光沢やキメの細やかさなど、それぞれに特長があります。
何をどういった目的で作るのかなどによって用途はかわりますので、
その都度、お問い合わせください。
古代縮緬
こだいちりめん
しぼが大きいのが特徴です。緯糸には右撚りと左撚りの強い撚り糸を、2本ずつ交互にして織られていて、二越縮緬ともいいます。
最も古いタイプのちりめんです。
一越縮緬
ひとこしちりめん
右撚り、左撚りの強撚糸を1本交互に織りこんだ平織です。
シボが細かいのが特長で高級感があります。
変り縮緬
かわりちりめん
緯糸の強撚糸をさらに合撚合糸したものを織り込んだ平織。伸び縮みしにくいのが 特長です。
合撚合糸を行う事により、非常に多くの種類があります。
主に、変り一越、変り三越、変り古代などがあります。
東雲縮緬
しののめちりめん
緯糸の強撚糸に撚り戻しを加えた縮緬です。
雲のようなシボができるため東雲と呼ばれています。
古浜縮緬
こはまちりめん
古代ちりめんの糸を細くしてキメの細かいシボに仕上げたものです。
うずら縮緬
うずらちりめん
右、左強撚糸を数本交互に(三越~六越)織り込んだ平織です。
古代よりもさらに大きなシボがある事が特長です。